丸武の職人の技が光る日本伝統の甲冑の魅力を発信し続け地域活性化に貢献したい - 丸武産業株式会社

取材日2023/06/29 取材者橋本

 丸武産業が製造する日本伝統の甲冑は,その技術や芸術性が高く評価されています。製造50年来の実績を有し,業界シェア7割超を誇ります。

 敷地面積約4,000坪の本社・工場が一体となった「甲冑工房丸武テーマパーク」内は,本格的な庭園やお城があり,戦国武将展示館では忠実に再現された歴代武将の鎧などを見ることができ,兜等の随所に施された職人の精巧な技術に感動します。

代表取締役 田ノ上 智隆
住所(本社) 鹿児島県薩摩川内市湯島町3535-7
住所(支店) 東京都千代田区外神田2丁目1-15
本社TEL(支店) 0996-26-3113(03-5256-4618)
事業内容 甲冑工房丸武テーマパーク運営・甲冑製造・修理・レンタル
HP http://yoroi.co.jp/company/

会社の事業内容を教えてください

 甲冑の製造や、博物館等に収蔵の甲冑等の修理・復元のほか、時代劇やイベント等の甲冑レンタルなどを行っています。

 平成30年に本社・工場と一体となった「甲冑工房丸武テーマパーク」では、入場料無料で、職人が実際に作業している工房を見ることができます。

 展示館には時代劇などで試用された甲冑を数多く展示しています。

商品を製造するうえで大切にしていることを 教えてください

 職人は35人おり、1つ1つ丁寧に手作業で作っています。鎧作りは図面がないため職人の感覚が頼りです。鎧の構造や仕組みを研究したり文献を読んだりして技術を磨いています。

 時代劇等の役者の要望に応じて、素材の厚みを薄くして軽量化を図ったり、経年劣化した鎧を作ってほしいという依頼があればその通りに作るなど、お客様の用途・要望に合わせて対応することができます。

 その技巧や芸術性が高く評価され、当社の甲冑は平成9年に鹿児島県の伝統的工芸品に指定されたほか、令和4年から薩摩川内市のふるさと納税の返礼品にも指定されました。

 この職人の技術を継承し、当社の商品をお買い求めいただいたお客様から寄せられた声をもとに、今後の商品づくりに活かしていきます。

大リーグで兜が使用され一躍注目されましたが反響を教えてください

 野球に全く興味がない人間だったため、その反響の大きさに驚きました。テーマパークの来場者は、海外からのお客様も含め、週末の土日は200~300人と以前より倍増し、旅行会社のバスツアーも復活しました。

 展示館ではエンゼルスで使用されているものと同じ型の兜が見れます。

 今回を機に薩摩川内市でこういう兜を作っている会社があることを多くの人に知っていただいたことを嬉しく思います。

今後の展開やどういう会社にしていきたいか教えてください

 テーマパークに来場いただいた方から、エンゼルスの兜にちなんだグッズを買い求める声を多数いただいたことから、同じ型の兜を印刷したタオルを製作しました。気軽に買い求めることができるものとして、大変好評をいただいています。また、稚児鎧を写真館などのレンタル衣装に加えてもらえないか交渉しており、拡大していく予定です。  

 今回、国内外の方に当社を知っていただく機会を得ることができましたが、今後ともSNS等を活用し甲冑の魅力を発信し続け、多くの方に無料のテーマパークに足を運んでいただき兜に触れていただくことで、地域の活性化に貢献できればと思っています。